これぞ、『大人のジブリ』

先日、アニメ映画監督の宮崎駿さんが引退を表明されました。


そこで今回は、これぞ宮崎駿さん!! という作品をご紹介しようと思います。

代表作は数あれど、
1. 「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」を目標にしたこと
2. 自らの飛行機マニアの趣味を活かしつつ、それまでの「子供向け」から「同年代向け」に製作したこと

この2点において異色な作品、それが みなさんもご存知の「紅の豚」です。


紅の豚


《請求記号:DVDA76》



紅の豚」は世界恐慌が起こる直前のアドリア海を舞台にした、
空中海賊と、それを相手に賞金稼ぎで生きる飛行艇乗りの物語です。
主人公ポルコはアドリア海飛行艇乗りの名誉のため、
アメリカの飛行艇乗りのカーチスと一騎打ちに臨みます。
ポルコのことを密かに想うヒロインのジーナの願いが叶ったのかどうかを視聴者に想像させる、
(画面を隅々まで見ている人にだけわかるような)ラストシーンのさりげない演出は、まさに「大人のジブリ」です。
また、儚い恋と失恋の悲しみを歌ったシャンソンさくらんぼの実る頃」が劇中歌として使われていることも、
この物語の「深イイ」ところです。


宮崎駿さんは 全身全霊をかけて作品を作り上げるため、
この当時、製作過程において 毎回髪の毛が真っ白になっておられました(今は常に真っ白ですけれど)。
それだけに引退表明後のインタビューの中の「・・・僕の長編アニメーションの仕事ははっきり終わったんだ・・・」と
「僕は自由です」というコメントは印象的でした。


宮崎駿さんの今後のご活躍を期待したいと思います。


kym