図書館長のお勧め図書・視聴覚資料:12月
The complete piano sonatas;
Mitsuko Uchida / Mozart, Wolfgang Amadeus
=モーツァルト:ピアノソナタ全集;内田光子
請求記号 CDB7-穵, CDB7-II
内田光子はこの全集を平均律のピアノではなく、モーツァルトがおそらく用いていたであろう古典調律(ヴェルクマイスター)に調整したピアノで演奏している。平均律になじんでしまった人には、多少違和感があるかも知れないが、濁りのない長三和音の澄み切った響きは、聴くものの魂を澄んだ空気と共に高い空に運んでいってくれるような気がする。特にケッヒェル545番ハ長調のソナタ(ソナチネといっても良い)は言葉に尽くせない美しさである。古典調律の持つ、調性の表情の違いを味わえるかも知れない曲集である。
名曲集 / ショパン ; リパッティ = Piano works / Chopin
請求記号 CD2-37
ディヌ・リパッティは白血病で早世したピアニストであるが、モノラルで残された録音のどれもが素晴らしく、そこにはリパッティという演奏家もバッハやショパンという作曲家も超えた、神の贈り物とでも形容したくなるほどの純粋な音楽が存在するのである。彼のCDはほかにもいくつかリリースされているが、告別リサイタルのライブ録音(CD92-6)、バッハ、スカルラッティ、モーツァルトの作品のいくつかを録音したもの(CD2-38)のどちらも素晴らしい。(図書館にはLPレコードで所蔵)
Salzburger Liederabend ; Fritz Wunderlich = ザルツブルク・リサイタル ; フリッツ・ヴンダーリッヒ
請求記号 CD16-55
古い録音であるが、このCDの中の「詩人の恋」はシューマンの魅力を余すところ無く伝えてくれる絶品である。声楽を専攻している学生諸君は当然ヴンダーリッヒを知っているとは思うが、器楽の学生諸君もシューマンを演奏するならば、この「詩人の恋」を聴いておいて欲しいと願う。