事典フェア

原則として、図書館の事典、辞書は貸出することができません。
「なーんだ。貸出できないのか」
「じゃあ、あんまり私たちには関係ないわね」
「あんなブ厚い本、閲覧だけで見たってなあ・・・」
そんなことはありません。今日は、図書館の事典、辞書の面白さを紹介します!



事典と他の資料との違い



一般の図書と、事典の大きな違いは何でしょう?
「事典は読破されることを意図していない」ことです。
何か知りたいことがあれば、そのときに必要な部分を調べられるのが事典です。事典の情報量は膨大ですが、どの部分を読むかはあなたの自由です。一項目でも調べることがあれば、それで十分、あなたは事典を活用したといえます。

では、インターネットと、事典との違いは何でしょう?
それは「事典は必ずしも目的を必要としない」ことです。
何か面白いことはないかとインターネットで検索して、結局何も調べずに終わることがあります。これは、インターネットでの検索には「検索ワード」が必要になるからです。
事典の場合、「パッ」とひらけば、それで情報と出会うことができます。そこから、自分の「興味のタネ」を発見できるかもしれません。「興味のタネ」を探すツールとして、事典は他にはない機能を持っているのです。



「興味のタネ」を見つけたら



かつて、学問は裕福な人の贅沢な遊びでした。学問をするというのは、情報の海で遊ぶということです。
とはいっても、これだけ膨大な情報の中を進んでゆくのも容易ではありません。ともすると情報の海におぼれてしまうことになります。情報の海で遊ぶにも方法があります。自分の興味あるものに集中するのです。
人それぞれ、興味を持つ対象は違います。どんなに偉い先生も、「何に興味を持つべきか」は教えられません。興味の対象が、その人の個性そのものだからです。
何に興味を持つかは、その人の自由です。そして、何に興味を持つかですべてが決まってしまいます。
自分の興味を道しるべに進むこと。これが、情報の海でおぼれないための唯一の方法です。「興味のタネ」を見つけたら、たとえ他人になんと言われようと、それを追求しましょう。だれも興味を持たないところに宝は眠っています。

マニアックな人がいるらしく、モーツァルト関係の事典が作られています。
モーツァルト オペラ人物事典』 766/52a/
モーツァルトおもしろ雑学事典』 762.346/M1/220 (貸出可)
モーツァルト関係の事典は他にもあります。



『新グローブ オペラ事典』 766.1/147/
オペラファンならこの資料はおさえておきましょう。古今東西のありとあらゆるオペラの内容がここにまとめられています。



江川清, 青木隆, 平田嘉男『記号の事典』 801.9/2/
普段なにげなく見過ごしている「記号」。そんな「記号」にスポットをあてたなんともフェティッシュな資料です。意識の「地」と「図」が反転する快感を味わってみてください。事典がどういうふうに作られているかも浮き彫りになっておもしろい。


以下はちょっと難しいテーマで作られた事典です。
思想や哲学をかじってみたいけど取っ掛かりがわからないという方は、まずこれらの資料をひもといて、自分の興味を探ってみましょう。
これまでに思想や哲学の本をよんだことがある人は、これを眺めれば記憶がすっきりするかもしれません。
鈴木良次『言語科学の百科事典』 803/1/
アト・ド・フリース『イメージ シンボル事典』 801.9/1/
久野収鶴見俊輔思想の科学事典』 303.3/2/


このほかにも、いろいろな事典があります。まずは「事典」で検索してみませんか?

K.K.