図書館長のお勧め図書:5月
〜 音律のことをもっと知って欲しい。
ピアノという楽器は音楽の各場面で極めて重要な役割を担っています。日本のピアノは現在、平均律に調律されているものがほとんどです。しかし、調律法は平均律以外にもたくさん存在しています。合奏や合唱の美しいハーモニーは平均律ではありません。また、バッハからショパンにいたる数多くのピアノ作品の調性は、古典調律のもつ調性の色合いを念頭に作曲されたものと考えられます。
音楽の専門家を目指す学生諸君には、純正完全5度や純正長3度と平均律の完全5度・長3度との違いを知っておいて欲しいと思い、以下の音律に関わる書籍を紹介しておきます。
平島達司:
「ゼロ・ビートの再発見」〜「平均律」への疑問と「古典音律」をめぐって〜
761.12/17/1
数式が出てきたりしますが、「難しそうだな」くらいで、次に読み進んでもかまわないでしょう。全体を把握するのに良いと思います。
高橋彰彦:
「複合純正音律ピアノのすすめ」
請求記号 763.22/203a
「複合純正音律の華・ノクターン」
請求記号 763.22/291a
バッハやショパンの楽譜をもとに、古典音律の持つ各調性の個性と作曲家の調選択の意図を解き明かしています。特にピアノを専攻する学生に一読を勧めます。