2010-06-11 図書館スタッフのお勧め図書・視聴覚資料

今回は、イギリスの詩人であり劇作家のウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)に注目しました。英国ルネサンス文学の最高峰と称されたシェイクスピアは、作品の随所に音楽への言及や要求が書かれてあり、また多くの作曲家がシェイクスピアの作品をもとに作曲しているなど、音楽に深い繋がりがあります。





■《DVD》 請求記号DVDA852〜A888 「The Shakespeare collection」


シェイクスピアのすべての戯曲を、1978年イギリスBBCが原作へ忠実に取り組み、映像化したDVD全集(全37作品)です。その中でも、今回特にお勧めするのは、戯曲を原作にオペラ作品になったこの3作品です。


□請求記号DVDA861 「ロミオとジュリエット = Romeo & Juliet」

(グノー作曲 歌劇「ロミオとジュリエット」)
(ベンダ作曲 歌劇(ロメオとユーリー)


□請求記号DVDA863 「夏の夜の夢 = A midsummer night dream」

ブリテン作曲 歌劇「真夏の夜の夢」)
2008年の秋、カレッジオペラハウスでの公演が記憶に新しいところですね!


□請求記号DVDA874 「ウィンザーの陽気な女房たち = The merry wives of Windsor」

(ニコライ作曲 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」)
ヴェルディ作曲 歌劇「ファルスタッフ」)

前記に挙げた以外の作曲家の作品や、オペラ以外にもバレエなど様々な作品の原作になっています。全集なので、シェイクスピア四大悲劇はもちろん、あまり知られていなくても魅力的なものまで、全ての戯曲が揃っています。





■《CD》 請求記号CDN31-I 「Shakespeare's Musick / Musicians of the Globe ; Philip Pickett」


シェイクスピアの戯曲のなかで、音楽の指示はあっても実際にどのような曲が演奏されたか知ることは難しいですよね。しかし、このCDには戯曲とほぼ同時代に作曲された曲や、すでに歌われたことが確実な歌11曲が収められています。

演奏者は、ミュージシャンズ・オブ・ザ・グローブ。
シェイクスピアの戯曲が上演されたグローブ座のあったサウスバンク(ロンドン)に1997年に再建された、シェイクスピア専用劇場「ニュー・グローブ座」付きの音楽団体です。
シェイクスピアが重要視した演劇における音楽を、ぜひとも実感してください。





■《図書》 請求記号932/19/1〜19 「シェイクスピア全集 」 筑摩書房


オペラも器楽曲も、作品のもととなった「原作」を読む事はその作品を理解する上でとても重要です。映像や舞台ではカットされてしまっている部分も、台本には全て書かれています。

この全集は、現在順次発刊しているシェイクスピアの邦訳台本です。つまり、新しい訳!
文体も読みやすい現代語訳で、単語の解説や注記まで載っているとても読みやすいシリーズです。
原作を読んで、あなただけの新しい解釈を発見してみるのもいかがでしょうか?





■《DVD》 請求記号DVDA604〜A615 「彩の国シェイクスピア・シリーズ :Ninagawa×Shakespeare


最後は少し変り種を。
蜷川幸雄演出による上演舞台のDVDです。前記した、ちくま文庫の全集の訳が台本に使われています。このシリーズの中には出演者が全て男性で演じられている巻がいくつかありますが、実際にシェイクスピアの時代は女性が舞台に上がることが出来ず、男性のみで演じられていました。


□請求記号 DVDA613 「お気に召すまま = As you like it」

その面白さを楽しむにはこの作品がお勧めです。
女性を演じている男優が劇中男装するエピソードがありますが、なんとも複雑ですね。しかし、逆にその複雑さも当時は楽しまれていたのかもしれません。





図書館には、今回紹介したシェイクスピア関連の資料以外にも、多くの楽譜や図書、視聴覚資料が所蔵されています。
今もなお世界中の人々から愛されるシェイクスピアの世界を、ぜひとも様々な角度から楽しんでください!

S.Y.&K.H.