人類の夜明け、年の始まりにこんな作品はいかがでしょうか?
2001年宇宙の旅/DVDA899
衝撃。
キューブリック監督の完璧主義によってリアルに再現された宇宙。
CGを一切使わず、特撮技術だけで撮るというこだわり。
そのこだわりは60年代とは思えない、驚異的な作品を生み出してしまった。
もともとは、美術館などで映像芸術作品として流されることをイメージして作られたそうで、台詞はとても少なく簡潔。
BGMに使用されている「ツァラトゥストラはかく語りき」やバレエ音楽「美しく青きドナウ」は、まるで映像のために作曲されたかのようだ。
映像や音楽の表現を重視するあまり、もともと難解な内容をさらにわかりにくくしているように思えるが、この意味不明さこそ作品の魅力だろう。
それは例えば謎めいた女性がその内に秘めた謎ゆえに魅力的に見えるように。謎を解き明かしたいという欲求を刺激し、魅惑の作品となったのである。
「わけがわからないけれどすごい気がする」というだけで、人の感情を動かした。
言葉では説明のつかないもの、それでしか表現できないもの,これこそが芸術なのだ。
この作品は、どのジャンルにも分類しがたく、世に出ている他のどの作品とも異質な存在である。
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映画を見終わった人にオススメ
CD122-50
「2001年宇宙の旅」への誘い (「ツァラトゥストラかく語りき」聴き比べ)
冒頭部分のみ収録。違う交響楽団と指揮者で6パターンの演奏が聴ける変わり種CD。
CD34-22
学研CDブック スクリーン・ミュージック① 2001年宇宙の旅2001
778.253/9/
キューブリック映画の音楽的世界
M.A.